H16.3 マイホームの譲渡損失の取扱い
平成16年度税制改正案により、個人所有の不動産の譲渡損失の損益通算・繰越控除が廃止される予定です。(レーダー通信2月号参照)
ただし、マイホームの譲渡損失については現在認められている繰越控除制度が改正され、そして新たにもう一つの繰越控除制度が創設される予定となっており、引き続き損益通算・繰越控除制度が認められます。
今回はこのマイホームの譲渡損失に関する2つの税制改正案について見てみましょう。
この制度は住宅の住替えを促進するため、住宅の買換えを行った場合については譲渡損失の損益通算・繰越控除を認めるという制度であり、今回下記のように改正されました。
現 行 | 改 正 案 | |
適 用 期 間 | 平成10年1月1日~平成15年12月31日 | 平成18年12月31日まで延長 |
適 用 対 象 | 譲渡資産に係る住宅ローン残高が ある場合のみ適用対象となる |
譲渡資産に係る住宅ローン残高が ない場合においても適用対象となる |
損益通算・ 損失の繰越控除 |
買換え年については、譲渡損失を他の所得と相殺可能。 また、相殺しきれなかった譲渡損失は、翌年以降最長3年間の繰越控除が可能。 ※繰越控除は、合計所得が3,000万円以下の年に限ります。 |
<買換えの適用要件> (譲渡資産に関する要件) ① 平成10年1月1日から平成18年12月31日までに譲渡すること。 ② 譲渡資産の所有期間が、譲渡年の1月1日において5年を超えていること。 ③ 譲渡した家屋の敷地が500㎡を超えるときは、500㎡に対応する部分の損失のみが対象 (買換資産に関する要件) ① 譲渡した年の翌年12月31日までに買換資産を取得すること。 ② 買換資産を取得した年の翌年12月31日までに、個人の居住の用に供する見込みがあること。 ③ 買換資産である住宅の床面積が50㎡以上であること。 ④ 控除する年の年末に買換資産について住宅借入金等の残高があること。 |
【新設】
住宅を譲渡してもローンが残る者の新生活を支援するため、住宅の買換えをしなかった場合についても、譲渡損失の損益通算・翌年以降3年間の繰越控除を認める制度が創設されました。
<適 用 要 件 > ① 平成16年1月1日から平成18年12月31日までに譲渡すること。 ② 譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年を超える居住用財産の譲渡であること。 ③ 譲渡契約を締結した日の前日に、譲渡資産に係る住宅ローンの残高があること。 ④ 譲渡対価より住宅ローン残高が大きいこと。 ⑤ 合計所得金額が3,000万円以下であること。 |
※ これらの改正案は平成16年4月1日に成立し平成16年1月以降の譲渡分から適用される予定です。
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